インフルエンザなどの病気の対策として、手洗いやうがいが推奨されています。
正しい手洗いやうがいは、細菌やウイルスなど病原体から体を守ります。
手洗いやうがいを習慣にすることで、細菌やウイルスの感染を防ぎ、病気になりにくい体を作ることができます。
小さな子どもがいる家庭では、まず大人が正しい手洗いやうがいを行い、子どもの手本となることも大切です。
手洗いでは、指輪をしている人は、指輪と皮膚の間に病原体が入り込んでしまうことがあるので、指輪をはずしておこないましょう。
インフルエンザなどが流行している期間は、指輪をはずしておくのもよいでしょう。
指と指の間は、細菌やウイルスが溜まってしまいやすい場所です。
両手の指を組んで、指と指の間もしっかりと洗いましょう。
洗う場所は、手のひらや指先だけでなく、手の甲や手首まで忘れないように洗ってください。
手洗いが終わった後は、清潔やタオルやペーパータオルで手を拭いてください。
濡れたタオルは菌が繁殖しやすいので注意が必要です。
うがいをする場合は、ぬるま湯やうがい薬を使います。
うがい薬は必ず説明書に書いてあるとおりに薄めて利用してください。
これを1~2回行います。
まず、コップに入った量の半分から1/2を口に含んで、正面を向いて口の中を10~15秒くらいゆすいでください。
次に、半分から1/2を口に含み、上を向いて喉の奥までとどくようにして、10~15秒くらいガラガラとうがいをしてください。
うがいは、喉の殺菌だけでなく、喉を潤し、乾燥を防ぎ、ウイルスや細菌を寄せ付けないという効果もあります。
手洗い・うがいは最も基本的な病気への対策です。
手洗いやうがいは、石鹸やうがい薬でなくても水で充分、効果があるので、ぜひ習慣づけて欲しい病気の予防対策なのです。
ウイルスに感染すると、特定のたんぱく質が血液中に現れます。
これがウイルス・マーカーです。
ウイルス・マーカーには、抗原と抗体の2種類があります。
抗原はウイルス、ウイルスの一部で、現在そのウイルスに感染している状態を意味します。
抗体は、抗原が体に入った時にキラーT細胞やB細胞が作り出し、抗原を攻撃するタンパク質です。
B型肝炎ウイルス・マーカー検査の場合では、最初にB型肝炎ウイルスの抗原であるHBs抗原を調べます。
陽性(+)を示した場合B型肝炎ウイルスに感染している状態です。
そして、HBs抗原が陽性の場合、HBe抗原、HBe抗体、ウイルス量を調べます。
HBs抗体が陽性(+)の場合は、過去にウイルスに感染したが現在治癒しており免疫ができている可能性が高い状態です。
このウイルス・マーカーの結果と肝機能検査、病歴や精密検査などから、医師がB型肝炎の状態を判断します。
B型肝炎ウイルス・マーカー検査は、妊婦には必ず行われています。
もし、妊婦が感染していても、生まれた赤ちゃんにはすぐに抗体が投与され、ワクチン接種も行われるため感染を防ぐことができます。
また、B型肝炎ウイルス・マーカー検査によって感染が判明すれば、嫌悪感などの症状を抑え、肝硬変や肝臓がんへの進行を防ぎ、治癒できる可能性もあります。
このように、ウイルス・マーカーによる検査は、病気の治療や進行を抑える大きな対策となるのです。
健康診断などで異常値が出た場合、ウイルス・マーカーによる検査などを受けましょう。
万が一、感染していても、その後の病気への対策を立てやすくなるのです。
免疫とは、体外から入ってきた細菌やウイルスなどの病原体から、自分の体を守る仕組みです。
もし、免疫の働きがなければ病気にかかりやすくなるだけなく、病気や怪我の症状が悪化してしまいます。
人間の体の免疫の役割を持つ細胞には、白血球の中のリンパ球や形質細胞などがあります。
そして、小腸・大腸の粘膜の中に約60%のリンパ球が集まっています。
つまり、腸には体の約60%の免疫細胞があるのです。
腸はいろいろな栄養素を吸収する場所です。
体外から入ってくるのは、食べ物だけでなく、ウイルスや細菌などの病原体など有害なものがあり、そのために腸管には、大きな免疫システムができています。
これが腸管免疫です。
腸管は、必要な栄養素を吸収すると同時に、ウイルスや細菌を排除する役割があります。
このため、腸管免疫は、様々な病気と密接な関係を持っています。
腸管免疫が落ちると、様々な病原体が入り、腸管の悪玉菌が増え、腸内環境が悪くなります。
腸管免疫にはガン化した細胞を殺す作用もあるため、腸管免疫の低下は大腸がんになりやすさにつながる、と言われています。
また、潰瘍性大腸炎やクローン病では、腸管免疫が異常に活発な場合があります。
免疫が強すぎて、自分の腸をリンパ球などが攻撃してしまうのです。
このため、病気にかからない対策として、免疫力を低下させることなく強すぎもせず、という免疫のバランスを保つ必要があるのです。
またストレスも腸の免疫力と大きな関係があります。
腸内環境を整える対策として、ストレスをためないこと、適度な運動をすること、そしてバランスの良い食事を取ることが必要です。
動物由来感染症
動物由来感染症とは、動物から人へとうつる感染症です。
動物由来感染症の原因となる病原体は、時には何メートルにもなる寄生虫からウイルスまで様々な種類があります。
ウイルスが原因である感染症は狂犬病・インフルエンザ・日本脳炎、細菌が原因のペスト・サルモネラ症などがあります。
日本では、平成11年4月1日に感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)と改正狂犬病予防法が施行されています。
これらの法律は、日本での新たな感染症の発生に備え、そして、新しい対策を確立するためのものです。
日本では、昭和32年以降、狂犬病は発生していません。
現在、狂犬病予防の対策として、飼い犬の登録・予防接種・未登録の犬の捕獲、抑留・犬、猫、アライグマ、狐、スカンクの検疫が行われています。
検疫を受けた犬、猫、アライグマ、狐、スカンクでなければ、輸出入はできません。
動物由来感染症にかからないための対策は、正しい予防法を身につけることです。
ペットを飼っている人は、大切なペットからの感染を防止しなくてはなりません。
犬を飼っている人は必ず登録し、予防接種を受けさせましょう。
動物の口や爪にウイルスなどがいる場合があるので、口移しで餌を与えないようにしてください。
ペットと一緒に寝ると、寝ている間にひっかかれて感染することもあります。
ペットの身の回りを清潔に保ち、糞尿の始末を行い、動物に触った場合には、しっかり手洗いをして病気にならないよう感染を防ぎましょう。
そして、かかりつけの動物病院を持ち、病気の予防など様々なことを相談できる体制を作りましょう。
プールを介して起こる感染症
夏は食中毒だけでなく、感染症には注意が必要な季節です。
プールで泳ぐ際に、気をつけなければならない感染症があります。
咽頭結膜熱は、アデノウイルスと言うウイルスの感染によって起こります。
アデノウイルスは便や唾液などから感染するのですが、プールの水を介して感染する確率の高い病気なのでプール熱とも言われます。
プールでのタオルの貸し借りや、水泳の後、よく体や目を洗わないことが原因で感染するので、注意が必要です。
ウイルスの感染から5~7日を経て、発熱・結膜炎・喉の腫れなどの風邪に似た症状が起こる病気で、重症化することもあります。
プールで感染しやすい病気には、この咽頭結膜熱の他に、同じくアデノウイルスの感染で起こる流行性角結膜炎や、ウイルスによる良性いぼである水いぼ(伝染性軟属腫)があります。
流行性結膜炎は、感染力が強く、目やにが出て結膜・角膜が炎症を起こし、発熱・リンパ節の腫れなどを伴います。
水いぼは、ほとんどが自然治癒します。
このようにプールに入る機会の多い季節は、プールを介して地域や学校などで集団感染することもあります。
ウイルスの感染を防ぐためには、体や手などの清潔を保つことが重要です。
タオルの貸し借りは控え、新しいタオルを使うように心がけてください。
プールに入る際には、上記のような対策を心がけましょう。
そして、ウイルス感染だけでなく病気にかからない対策として、睡眠と栄養をしっかりととることで、健康を保つことが大切なのです。
RSウイルス感染症
RSウイルス感染症は冬に多い病気です。
RSウイルスが気管や喉などの気道に感染し、軽い風邪の症状から肺炎まで、様々な症状を起こします。
乳幼児がこのウイルスに感染すると影響が大きく、初めての感染の場合1/3が肺炎などの下気道疾患を起こします。
乳児の約70%が1歳までで感染し、2歳までには100%の幼児が感染すると言われます。
また、1度かかっても免疫が充分につかないため、何度でもかかる病気ですが、再感染の度に症状は軽くなります。
年長児や成人がウイルスに感染しても、症状は軽度で済む場合が多くなります。
RSウイルス感染症は世界中で発生し、お母さんの抗体をもらった6ヶ月未満の赤ちゃんも感染し、乳幼児は重症化しやすい病気です。
症状は発熱や鼻水、咳などで1~2週間で回復します。
しかし、乳幼児は風邪の症状から肺炎や細気管支炎などの下気道疾患へと移行することが多いので注意が必要です。
現在、RSウイルス感染症のワクチンはありません。
RSウイルス感染症は飛沫感染や接触が原因となって感染するので、感染予防としての対策は、手洗いやマスクの着用です。
RSウイルスは石鹸やアルコールに弱いので、しっかりと手を消毒しておきましょう。
また、この病気はたばこの受動喫煙で感染リスクが高くなります。
特に冬は窓を閉めきるので、そのリスクが大きくなります。
RSウイルス感染症をはじめとして肺炎などの病気にかからないための対策として、小さな子どもがいる家庭では、家族は喫煙を控えることが望ましいのです。
ウイルスは様々な方法で感染し、病気を発症します。
感染経路を知っておくことは、感染経路を遮断して感染を防止するなど、病気への対策を考えるために大変重要です。
感染経路には、下記のようなものがあります。
・飛沫(ひまつ)感染
ウイルスなどの病原体が咳やくしゃみなどによって空気中に拡散し、その病原体を吸入することで感染するのが飛沫感染です。
インフルエンザや風疹など様々な病気の感染経路です。
・経口感染
ウイルスに汚染された食品や水などの摂取や、感染者の便などの始末によっての感染です。
A型肝炎、ポリオ、ロタウイルスなどがあります。
・接触感染
ウイルスに感染した人との性行為など、皮膚や体液に接触し、感染者の使ったタオルなどが感染経路です。
ウイルスの接触感染による病気には、エイズや流行性角結膜炎などがあります。
・昆虫媒介感染
昆虫に血を吸われる際にウイルスが感染します。
蚊によってウイルスが媒介される日本脳炎・テング熱、マダニによるアルボ・ウィルス感染症などがあります。
この他にも、母から子へ伝わる子宮内感染(妊娠初期の風疹による感染など)、B型肝炎の感染の1つである経胎盤感染などの種類があります。
感染経路によって、ワクチン接種、消毒用エタノールを使う、マスクやうがい、タオルなどを共用しない、などのウイルスに感染しないための対策を講じることができます。
海外旅行の際には、これらの感染経路を知っておいて病気への対策をしっかり頭に入れておきましょう。
海外旅行では、気候や気温の違い、時差、飛行機での長時間の移動により、体力的にも精神的にも負担が大きく、病気を引き起こしてしまう可能性が大きくなります。
楽しく健康に旅行を楽しめるように、さらに海外でウイルスの感染源とならないためにも、対策を知っておきましょう。
まず、渡航先で体調を崩さないよう自分の体調を整えておきましょう。
持病のある人は、体調を悪化させないためにも旅行前に主治医との相談が必要です。
そして、入国許可を得るためと、日本にはない感染症にならないためにも予防接種をしてください。
アフリカや南アメリカの熱帯地域では、黄熱ワクチン接種をしていないと入国できません。
留学などの長期滞在の場合も、予防接種が義務付けられる場合があります。
A型肝炎や破傷風、狂犬病などの予防接種も行き先に応じて接種しておきましょう。
ワクチンの種類によって2~3回の接種を必要とするものがあるので、旅行前のできるだけ早い時期に接種を受けましょう。
旅行先では、生水や動物、昆虫などを媒介してウイルスに感染して発病することもあります。
食べ物は必ず火を通したものを食べましょう。
また、ウイルスなどに感染しても潜伏期の長い病気がありますので、海外旅行から戻って2ヶ月程度は、発病した場合、医師に海外旅行に行ったことを告げて相談してください。
海外旅行に際しては、旅行前・旅行中・旅行後の発病も考えて、対策を行うよう心がけてください。