新型インフルエンザは世界的なパンデミック(大流行)が危惧されている病気です。
過去に起こったインフルエンザ・パンデミックには、スペイン風邪と呼ばれた1918~1919年のスペインインフルエンザのパンデミックがありました。
この時には、まだ抗生物質もワクチンもないために流行を防ぐ手段がなく、世界保健機関(WHO)によると患者数は世界人口の25~30%で、世界で約4,000万人が亡くなりました。
日本の内務省統計の報告では、この時の患者数は約2300万、死亡者約38万人でした。
新型インフルエンザによる、パンデミックが起こった場合、スペイン風邪の流行時よりも飛行機などによって人口移動が大きくなっていることから、さらに大きな被害が起こる可能性があります。
インフルエンザの対策には、抗インフルエンザウイルス剤やワクチンがあります。
しかし、タミフルに耐性のあるウイルスも出現するなど、抗インフルエンザウイルス剤は万能ではありません。
さらに、インフルエンザのウイルスも毎年変異を繰り返すため、ワクチンも流行を予想したものを接種しており、予想がはずれて効果のない場合もある欠点があります。
2009年1月、厚生労働省の発表によると、11都道府県で採取されたAソ連型のインフルエンザウイルスは、97%が抗インフルエンザ薬のタミフルに耐性があるウイルスでした。
2007年11月ごろから、北欧諸国を中心に世界各国でAソ連型のタミフル耐性ウイルスが現れています。
これらのウイルスはタミフルには耐性があるものの、リレンザには有効です。
また、ワクチン接種による効果はあるので、耐性のウイルス出現の対策としてワクチン接種が有効です。
耐性のウイルスの大半は、タミフルを使用していない地域で発生しているため、タミフルの使用によって耐性ができた訳ではありません。
また、中国で流行しているインフルエンザウイルスは、抗インフルエンザウイルス薬であるアマンタジン(商品名:シンメトレル)には耐性がありますが、タミフルは有効です。
2007年には、日本ではタミフル耐性ウイルスの出現率は低かったものの、2008/2009年のシーズンでは、上記のように日本でもタミフル耐性ウイルスが多く全国的に出現しているのです。
A香港型へのタミフル使用は有効なので、単にA型インフルエンザというだけではタミフルに耐性があるのかどうかはわかりません。
ワクチン接種では、Aソ連型・A香港型どちらにも効果があるために、インフルエンザにかからないようにするためにもワクチン接種は推奨されているのです。
そして、インフルエンザだけでなく病気にかからないための対策として、うがい・手洗いはかかせません。
ウイルスや細菌による病気の治療薬に耐性ができて効果がない場合が起こりうることを知っておいてください。
平成21年1月、国立感染症研究所・北海道大学・埼玉医科大学・化学メーカーの日油による厚生労働省研究班が、どんなインフルエンザにも効果がある万能インフルエンザワクチンを開発したと発表しました。
インフルエンザウイルスの内部にあるタンパク質は変異しにくいことに注目して開発されました。
現在はマウスでの実験結果であり、人に使用した場合の副作用の確認が必要です。
新型インフルエンザへの対策として、できるだけ早い実用化が望まれています。
新しい病気への対策として、このように新たな研究が次々と行われています。